蓮の華 水面(みなも)凪ぎて 竹生島
ミカ
これは写真をもとにして、あとから句を考えた。
音楽制作の現場では、詩に合わせてサウンドを作る(詩先)。またはサウンドが先にあって後から詩を載せる(曲先)。二通りの制作方法があるそうだ。今回はそのアイデアを借りる。
句が先→後から写真
その時期にそこへ行って撮影してくる。
晴れた日の正午辺りに撮ればOKとなるだろう。
(光線は平凡だが、光の質が良い時間帯)
句・写真が先→後から音
湖面はツルツルで波音は望めず、あとは湖岸道路からの騒音とアブラゼミの鳴き声だけ。
「さあ、どうする?」
「アイデア出して、俺によこせ!」
私のアイデアも紹介する。
その場で録る・録らないは状況次第。
そこの空気感さえインプットしてくれば、サウンドデザインによってアウトプットできるだけの素材もあり、それも厭わない姿勢だ。(参考:フォーリーサウンド)
おまけ
句・写真・音といった素材が先→理由
あとから意味を付ける。
現代アートの世界に見受けられる。
さて、ここからは限界論となる。
「風景や音をありのままキャプチャーしてくる」
それはそれで結構なことだが、「それ、そのまま出せるの?」ということを考える。
結論からすると、現時点では不可能。
写真→表示デバイス・印刷の都合
音→再生デバイスの都合
音に関すれば音場の再現が難しいこともあるが、その前にスピーカー(ヘッドホン)を振るわすと入力とは異なる振動(分割振動)を起こし、元とは違う音になる。
見方を変えると、升の中に落とし込まれているのが表現。
ただ、それだけのこと。
制作現場で役に立つアイデアも紹介しておく。
写真・音でも、生と再生装置の差を知って上で進めよということだけ。
必要なのは体感だ。
「あとはフィールドで学んでこい!」
筆:Mika Ojanen(ミカ・オヤネン)
琵琶湖畔にて、黒猫とカラスを従えし隠者。
カラスは昼のざわめきを、黒猫は夜の囁きを、私のもとへ運ぶ。
遣いの運ぶものによって、私の世界観もまた移ろう。