コラム:フィールドレコーディング「追憶」

その日、そこで感じたのはいつもとは違う異音。
すぐにアレが来ることを察した。
アレとはドクターイエロー。
まるで火花でも散らしているかのようなバチバチ音を立てながらやって来る。
そんな在りし日の音は私の記憶の中に刻まれている。


追憶の音と現実の音との違い?
それを詳細に説明するつもりはない。
なぜなら、人はそれをすでに知っているからだ。
いつも言っている通り、言葉に落とし込まれたことに惑わされるな!
フィールドレコーディング的解釈だけを示しておこう。
追憶の音はモノラル現実の音はステレオ
フィールドレコーディングのイメージ作り(MS処理)はそこからだ。
俺が与えられるのはここまで。
あとはお前の創造力に任せる。


筆:Mika Ojanen(ミカ・オヤネン)
琵琶湖畔にて、黒猫とカラスを従えし隠者。
カラスは昼のざわめきを、黒猫は夜の囁きを、私のもとへ運ぶ。
遣いの運ぶものによって、私の世界観もまた移ろう。