今回は、フィールドレコーディング音源の“究極の編集”について触れる。
基本設計は、波形と位相を保ちながら、デジタル特有のインパルスだけを確実に落とすこと。


強いインパルスの除去
ヘッドルームを超えた分はリミッターで切る。
ソフトニーにすれば先端は自然に丸まる。
<避けるべき処理>
・位相が回転する
・波形の先端が平らになる
・波形が横に伸びる
使用ツール:Sonnox / Oxford Limiter
パラメータは突っ込んで、同量下げるだけ。
リリースの都合で後ろが少し引っ張られるが、インパルスは時間軸が短いので聴感上は問題なし。

別法:エンベロープで“入力そのもの”を切る
使用ツール:Sonnox / Oxford Envolution
入力の大小に関係なく叩ける、優秀なシェイパー。


ポップ/クリック/クラックルの除去
WaveLabのエラー検出で拾い、まとめて修正。
感度は標準で十分。

外部ツール:Sonnox / Oxford De-Clicker
エフェクト信号だけをモニターし、取れ具合を確認しながら追い込むと早い。

なお、WaveLabの RestoreRig / DE-CLICKER で足りるケースも多い。


インパルスの複合処理
最終手段として、三次倍音で“焼く”。
効果は大きい。
使用ツール:Plugin Alliance / SPL Machine Head
こちらも突っ込んで、同量下げてオーバードライブさせるだけ。

Sonnox / Oxford Inflatorを外したのは細い波形が太くなる(音圧が上がる)から。
さらに強力かつ多彩な倍音で遊べるのは、FabFilter / Saturn。


まとめ
Sonnoxの高額ツールが並んだのは、今回は“リッチ”な仕上げだから。
やっていることは、プラモデルのバリ取りのような地味な作業だが、オヤネンは初期からずっと続けている。
むしろ、この工程を身につけてから、素材を作品へと昇華できるようになった。


<笑い話>
オヤネンの黒歴史
ビデオ用の音録りで集めた素材を“Field Recording”と称してSoundCloudに上げていた時期がある(2019年頃)。
アカウント削除と同時にアマチュア卒業。
今はプロの称号にも興味はなく、ただの仙人を自称している。


Author:Mika Ojanen
カテゴリー:寄り道 / プラクシス