オヤネンの探求は続き、決して臨界状態になることはない。
いま関心を寄せているのはアナログ技術で、またアウトボードを注文してしまった。
欲はあるが、銭が続かない状態だ。
現在は試験波と睨めっこしながら、新たな音作りの検証を進めている。
その過程で興味深い現象に遭遇したので記しておく。
以前の記事(RICH TRICKS)で触れた “魔の手、波形そのものを破壊”。
今回は、波形をごくわずかに矩形波方向へ寄せた場合に何が起きるかを観察した。
サンプル単位で見ると、直線的に接続されていた波形が、微細な曲線的接続へと変化し、高長波は緩やかにロールオフしていく。
この挙動はどこかで見覚えがある。
そう、カセットテープに録音したときの時間軸方向の解像度低下に近い。
時間軸の分解能を意図的に落とすことで耳当たりが良くなるのは、この特性によるものだ。
高域のオールオフについては、バイアス調整と同じ発想である程度の補正が可能で、
EQやエキサイターで持ち上げれば実用的なレベルまで回復する。
この現象を確認したオヤネンは高揚しているが、すでに先人の技術者たちが半世紀前に研究していた領域でもある。
それでも、アナログの世界は尽きない。
遅れて辿り着くからこそ、面白い。
