ソフトウェア中心の編集を続けてきたが、あれは未成熟な時代の話だ。
電気信号の世界に戻る準備は整っていた。
そこへ、ドイツから最後のピースが届いた。
elysia の xmax。
低域と Mid/Side に分けてコンプレッサーを噛ませることができるが、アタックもレシオも固定で、パラメータの可動域は狭い。
しかし肝はそこではない。
目玉は ソフトクリップ。
オヤネン考案の「神の手」とは異なり、通常のリミッターと同じ“前髪パッツン型”の揃ったクリップ。
単体では特別な機能を持つわけではないが、これを導入した瞬間、ソフトからの完全な脱却が成立した。
理由は明確だ。
音を電気信号に変換したなら、整形も電気信号で行うべきだ。
量子処理による“見かけの整形”ではなく、位相そのものを扱う古典回帰的な編集が、ようやく実装レベルで可能になった。
以下、オヤネンのワークフローを記す
<収録>
同軸ステレオ
MS処理を行うための絶対条件。
三研の CMS-50 & CSS-50 を使い、主役モノラル+脇役アンビエンスとして収録する。
単なるモノラル+アンビエンスの同録である。
<編集>
MS素材は LR 変換のみ。
LR 素材はそのまま出力。
↓
elysia karacter
Mid:線形の奇数次倍音でドライブ → 波形の先端が縮れる
Drive 6 Mix 20
Side:典型的なテープ倍音でドライブ → 音量アップ
Drive 2 Wet
↓
elysia xmax
MS素材は Side 量を調整する。
その他はソフトクリップのみ。
素材によってはスルーで構わない。
↓
あとはダビング。
ここで最終的な音の姿を決めるのは AD/DA である。
<結果>
これで、
音は完全にアナログ段の電気信号によって作られるようになった。
前時代では当たり前だったが、オヤネンが異なるのは 位相を完全にコントロールしている点。
偶然ではなく、すべてが意図された設計である。
ソフトウェアは稚児のトイだ。
触れるのは“結果”だけで、原因には触れられない。
未成熟な編集体系に戻る理由はもうない。
大人のトイで遊べるようになった。
karacter × xmax──それが Mika’s Style だ。
実装は次回作にて。
未成熟な時代──
それは、24時間前の話である。

